ゆうきブログ Written by youki

【書籍要約】イーロン・マスク 上|世界を変える男の原点とは?

書籍

イーロン・マスク――彼の名前を聞けば、スペースXやテスラを思い浮かべる人が多いでしょう。しかしこの男の本質は、単なる「発明家」や「起業家」では収まりきれない。ウォルター・アイザックソンが2年にわたり密着取材し、マスク本人や関係者へのインタビューをもとに描いた『イーロン・マスク 上』では、彼の原点と狂気、そして天才の片鱗が克明に記されています。


1. 幼少期:南アフリカで育った“孤独な天才”

イーロン・マスクは1971年、南アフリカのプレトリアに生まれる。家庭は裕福で教育熱心だったが、家庭内では父エロール・マスクから精神的に支配され、恐怖と葛藤の日々を送っていた。

子ども時代の彼は“孤独な天才”だった。読書とプログラミングに没頭し、12歳でゲームソフトを開発して販売するなど、その才能は早くから開花していた。しかし、学校ではいじめの標的となり、顔面骨折の重傷を負ったこともある。

この“孤独”と“痛み”が、後の彼の異常なまでの集中力と自己防衛的な性格に繋がっていく。


2. アメリカ移住と初の起業

18歳で南アフリカを出国し、母の故郷カナダを経てアメリカへ。彼の「世界を変える」という野望は、常にアメリカを舞台としていた。

大学では物理学と経済学を学び、卒業後すぐに弟キンバルと共に起業。インターネット黎明期に“オンラインの地図と企業情報”を提供する「Zip2」を設立。この会社はコンパックにより3億ドル以上で買収され、マスクは若くして億万長者になる。

その後、オンラインバンキングの先駆け「X.com(後のPayPal)」を創業するが、役員からの反発により追放される。この経験は「自分のビジョンを自分でコントロールする」ことの重要性を彼に強く印象づけた。


3. スペースX:宇宙を目指す狂気のロケットマン

PayPal売却後の資金で設立したのが「スペースX」。当初は周囲から「馬鹿げている」と嘲笑された。ロケット開発の経験など全くない状態から始まり、最初の3回の打ち上げはすべて失敗。

しかし、4度目の打ち上げで成功を掴む。このとき資金はほぼ底をついており、1回でも失敗すれば倒産という状況だった。ギリギリで掴んだこの成功により、NASAからの契約を勝ち取り、スペースXは生き残った。

彼の名言「失敗を恐れていたら、成功はできない」は、ここで生まれたとも言える。


4. テスラ:電気自動車の未来をつくる

同時期、電気自動車スタートアップ「テスラ」に出資し、実質的に経営を掌握。エンジニアを徹底的に鍛え上げ、“自分が求める未来の車”を作らせる。深夜まで働き続ける彼のスタイルに反発も多く、度重なる離職者と訴訟も生んだ。

しかし、マスクは常に「理想」を追い続けた。石油依存の社会から脱却し、電気で走る魅力的な車を作るというビジョンを、強引にでも実現しようとした。


5. マスクの「二面性」:天才と暴君の狭間

この書では、マスクの「狂気」も余すことなく描かれている。部下への暴言、家族への支配的な言動、突発的な人事異動…彼の経営は、まさに“ジェットコースター”だった。

しかし同時に、彼の中には「人類を進化させたい」という確固たる信念がある。火星移住計画、AIとの共存、脳神経インターフェースなど、常に“次の世界”を見据えている。


まとめ|なぜ彼はここまで突き進むのか?

『イーロン・マスク 上』は、ビジネス書でありながら、読み物としても非常にスリリング。成功の裏側にある「狂気」と「孤独」、そして「使命感」が重層的に描かれている。

彼がここまで破壊的で、同時に創造的でいられる理由――それは「世界を変えたい」という欲望と、「誰にも支配されない」自由への渇望に他ならない。

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